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散文。「火の使い手」。

by カウラーキー(kouraku)with新生クラヴァー&新生terataku

どこかの砂漠で一人、流浪する者がいた。

「またか。これで何人目だ・・・」

薄汚れたローブをまとったその青年は、青い瞳を鋭くする。

そこにあったのは、屍。

青年は目の前のそれに向かってそっと手を伸ばす。

「安らぎのあらんことを」

青年の手が屍に触れた瞬間、かつて生きていたものは彼の手から発した紅蓮の劫火に包まれた。

すると、その炎の中で融けゆく骨から、かつて命を賭けて精一杯生き抜いた者の、色鮮やかな光が幾条にもなって漏れ溢れ、天地に伸びる。

『ありがとう』

すべての光が還るべきところに還った後、穏やかに完全に燃え尽きた。

「・・・次はこんなところで逝くなよ」

青年は、無念のまま縁なき死を遂げた者達の無念を浄化する者。

若き火の使い手である。

「・・・これがお前の理由か」

青年は、浄化した相手の想いを自らの炎を通して識る。

「俺ごときがどこまでやれるか、だが確かに。受け継いだぞ」

青年はまた歩み始める。

その後ろ姿には、今まで焼いてきた骸たちの想いが受け継がれ、宿っている。

「俺自身、自分の理由すら分からんと言うのに・・・師はいったいどういう考えなのか」

そう言いながら、青年は当てなき旅を続ける。

「まあいい。いつかなにかを掴むまで、俺は旅を続けよう」

ローブに隠れた瞳には、なにか言いしれぬ、しかし明るい覚悟があった。


カウラーキー(kouraku)with新生クラヴァー&新生terataku
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