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『マリア あなたを包む愛の奇蹟』-その16。

by カウラーキー(kouraku)with新生クラヴァー&新生terataku

※このシリーズでは、『マリア あなたを包む愛の奇蹟』-ドリーン・バーチュー 宇佐 和通[訳]の内容を、ゆっくりと分かち合って行こうというものです。公式さまから許可を得たわけではありませんが、いつものように私の想いつき買いたいけど買えない方、また知るきっかけのなかった方に触れあって頂ければと想い、始めました。もしよろしくなければお伝えください。


“あなたは気づいていない”――ウォルターの体験

ウォルターはオーストラリアの田舎町で育ちました。プロテスタント信者だったので、聖母マリアを信仰してはいませんでした。しかし、カトリック信者だった従兄弟たちが初聖体拝領式を受けたときに見た、聖母マリアの絵に強く心を惹かれました。自分にとって大きな意味を持っているのは分かりましたが、それが何なのか、そのときは理解できませんでした。

書籍販売に関わっていたウォルターは、定期的に大きな書店見本市を訪れていました。ある時期スケジュールがたてこみ、次々と見本市を回るうちにストレスが溜まり、仕事にも人生にも疲れ切っていました。希望も未来もすべて失ってしまった気持ちになってしまったのです。

ある夜、痛む足を引きずるようにしてベッドに倒れ込んだウォルターは、スピリチュアリティーについて考える余裕もまったくない状態でした。そしてその夜、深い眠りの中で驚くべき夢を見たのです。場面は大きな見本市です。ウォルターは、多くの人がひしめき合う広い会場を歩いていました。あまりに人が多いので、進むことも後戻りすることもできません。怒りに駆られ、疲れ果てたウォルターが望むのは、とにかくその場から逃げ出すことでした。そのときです。誰かがウォルターの肩を叩きました。イライラしながら振り向くと、すぐ後ろに聖母マリアが立っていました。深く純粋な思いやりの表情を浮かべています。

聖母マリアは微笑みながら“あなたは、気づいていないのです”と言いました。

“けれど、私はあなたを深く愛しています。これからも、いつでも愛し続けます”

この言葉を聞いたウォルターは目を覚まし、喜びの涙を流し始めました。15年前に見たこの夢の話をするだけで、ウォルターは今でも目頭が熱くなります。

この夢から何年か後、ウォルターはとある会合に出席しました。会場となったのは、シドニー郊外にある高い丘の上に建つ古い修道院です。最初の日の行事が終わったのは夜遅くだったので、パートナーに迎えに来てもらうことにしました。会場は市街地からかなり離れた場所にあり、公共の交通機関は使えません。ウォルターが建物から出てくると、駐車場はがらがらでした。携帯電話で連絡しようとしましたが、電波が届いていません。少し苛立ちを感じましたが、パートナーが迎えに来るのを忘れてしまうことはないはずです。普段ならベンチに座って待つところですが、内なる声が歩くよう告げていました。

歩き始めたウォルターは、かつて酪農場が営まれていた場所で迷ってしまいました。街灯もなく、誰もいません。頭の中が混乱し、迷ってしまったという恐れの気持ちが湧き上がりました。丘を下って歩き続けましたが、どこに出るのかはわかりませんでした。

次の瞬間、ぼうっと光る人影が現れました。その姿は、まちがいなく聖母マリアでした。そうか・・・・・、とウォルターは思いました。ここは修道院だったから、敷地内に聖母マリア像が建っていてもおかしくはない。でも、人影はどんどん明るくなり、しかも動き始めたのです。黙って後についていくしかないという気になったウォルターは、そのまま歩き続けました。そして、歩いているうちに恐れの気持ちが消え、喜びが感じられるようになりました。公園を通り、通用門を過ぎると、年老いた聖職者たちが住んでいた小さな家の前に出ました。そこに車が停まっています。運転席を覗き込むと、パートナーが寝息を立てていました。どうやら、住所をまちがえてしまったようです。そこで、自分が唯一知っている宗教施設にとりあえず向かい、待っているうちに眠くなってしまったのでしょう。後で確認すると、パートナーが持っていた携帯電話にも電波が届いていませんでした。ウォルターが聖母マリアの導きを受けなければ、ふたりとも何時間も無駄に過ごすところでした。

夢の中で訪れを受けたことで、聖母マリアとの絆を感じられるようになったウォルターは、その後明らかな形のビジョンを体験しました。聖母マリアとの深い愛情がウォルターの心に信頼を生み、母性に満ちた導きを受け容れたことで、行くべきところにたどりつけたのです。


カウラーキー(kouraku)with新生クラヴァー&新生terataku
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