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『マリア あなたを包む愛の奇蹟』-その59。

by カウラーキー(kouraku)with新生クラヴァー&新生terataku

※このシリーズでは、『マリア あなたを包む愛の奇蹟』-ドリーン・バーチュー 宇佐 和通[訳]の内容を、ゆっくりと分かち合って行こうというものです。公式さまから許可を得たわけではありませんが、いつものように私の想いつき買いたいけど買えない方、また知るきっかけのなかった方に触れあって頂ければと想い、始めました。もしよろしくなければお伝えください。


“大きな声で祈りなさい”――メアリーの体験

メアリーは、祖母から祖母から聖母マリアの名を取った名前をもらいました。メアリーが聖母体験をしたのは、10歳のときです。

1968年8月のある暑い日、メアリーは従兄弟のレイ、そして近所の友だちのマーク(5歳)と一緒に、プールに行こうとしていました。でも、両親から行く許可をもらわなければなりません。3人は、その日まで年上の子どもが一緒でなければプールに行くことが許されていませんでした。かなり粘った結果、交換条件を言い渡されました。メアリーの家の裏の墓地を通らないことです(プールがある公園は、道路をはさんだ向かい側にありました)。墓地をまっすぐ進めば近いのですが、そうでなければ大通りに沿って大回りをしなければなりません。
3人は交換条件を受け容れ、言われた通りに大通りに沿って歩きながらプールを目指しました。着く頃には汗びっしょりでしたが、うれしくて仕方がありません。メアリーは、何時までに帰ってくるように言われたのかを忘れてしまいました。でも、泳ぎ疲れた体で長い道のりを歩かなければならないことが頭から離れません。3人は近道をすることに決めました。言うまでもありませんが、メアリーは一番年上である自分が母親の言いつけを守らないことに罪悪感を感じていました。レイもマークも暑さと疲れでくたくたです。メアリーに選択の余地はありませんでした。
墓地の門に近づくと、メアリーは男性があずまやに座って新聞を読んでいるのに気づきました。引き返して、約束通り遠回りして帰った方がいいかもしれない・・・・、一瞬そう思いました。そうすれば、知らない男の人の前を通って歩かなくて済みます。
ところが、ちょうどそのとき、もう一人の知らない男がどこからともなく現れ、「どこに行くの?」と話しかけて来ました。
「お墓と通って近道して、おうちに帰るの」
メアリーは答えました。メアリーは、この男と言葉を交わしたときに感じた何とも言えない不安が忘れられません。あずまやに座っている男性のほうに走って逃げたほうがいいかもしれないとも思いました。
すると、後から来た男が「それよりもずっといい近道を知ってるよ」と言ってきました。一緒に来るなら教えてあげるというのです。レイとマークは、歩く距離が近くなることを喜んでいるようでした。メアリーはためらいながら考えました。何ともいえない、いやな感じがぬぐえませんでした。男は言葉巧みに子どもたちを説得しました。結局はメアリーもついていくことにしましたが、怪しいと思ったらすぐに走り出すこと、あるいは途中で長い棒を拾っておくことを忘れないようにしました。でも、実際は恐怖で体がこわばり、何もできませんでした。
しばらく歩くと、4人は小高い丘の上に出ました。ちょうど墓地の裏出にあたる場所です。メアリーは、それが近道ではないことに気づいていました。そして男は振り返り、お小遣いがほしくないか、と持ちかけてきました。お金を持って帰れば両親も喜ぶと思ったメアリーは「はい」と答えました。「どうすればいいの?」と尋ねると、男はメアリーに、水着を脱いで横になるよう言いました。びっくりしたメアリーは、いやだと答え、お金も要らないと言いました。ただ家に帰りたくなりました。
メアリーには性的な知識が何もありませんでしたが、知らない男から頼まれることではないと直感しました。脅迫されたかどうかは覚えていません。でも、男が発する言葉がとても恐ろしく響いたことが忘れられません。
そして、男はレイとマークに、視線を逸らすよう言いました。ふたりはメアリーが怖がっていることがわかっていたのでしょう。あるいは、何かがおかしいと感じたのでしょう。
すでに泣き始めていました。それを見たメアリーは、心の中で聖母マリアに祈り、助けを求めました。メアリーは、本当に死んでしまうのではないかと思いました。そして、一刻も早く天国に行けるよう、男がしようとしていることがすぐ終わるよう祈りました。
男はズボンを下ろし、メアリーの前にひざをついて座りました。それを見ながら、メアリーは聖母マリアの姿を思い描いていました。いいえ、実際に太陽を背にして立つ聖母マリアの姿を“見て”いたのです。そしてメアリーの頭の中に声が響きました。
“大きな声で祈りなさい”
メアリーは、自分が死ぬからそう祈るように言われたのだと思いました。そして両眼を閉じ、涙を流しながら、アヴェマリアを唱え始めました。
「恵みあふれる聖マリア。主はあなたと共におられます。主はあなたを選び、祝福し、あなたの子イエスも祝福されました。神の母聖マリア、罪深いわたしたちのために、今も、死を迎えるときも祈ってください。アーメン」その瞬間、レイが立ち上がって走り出しました。マークはまだ泣いていましたが、男に行っていいと言われたようです。
メアリーはそのまま祈り続け、死が訪れるのを待っていました。でも、何も起こりません。痛みが聞こえることも、音が聞こえることもありませんでした。聖母マリアと一緒に天国にいることを想像しながらゆっくりと目を開けました。するとそこに、新聞を読んでいた男性が立っていたのです。彼はメアリーに向かってこう言いました。
「行きなさい。家に帰りなさい。もう二度と知らない人に話しかけちゃいけないよ」驚きと怖さでいっぱいになりながら、メアリーは飛び起きてタオルをつかみ、突然現れた男性に「ありがとう」と言いながら走り出しました。ありがとうと言った理由は自分でもわかりませんでした。
木々の間の太陽と、空気の感じは覚えています。もう暑くありませんでした。メアリーはそのまま走り続けました。前から姉が走ってくるのを見て、もう大丈夫だと思いました。

聖母マリアが発してくれる警告に従うかどうかは、私たちの責任です。警告の内容は、明確で、かつ的確です。誤解の余地もありません。聖母マリアがいてくれるだけで、心が安らぎます。聖なる導きに従えば、大きなストレスがかかる場合でも、ものごとを冷静に、そして明瞭に考えることができるのです。


カウラーキー(kouraku)with新生クラヴァー&新生terataku
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